メキシコ料理といえば辛い!タコス!そしてテキーラ!などが頭をよぎると思います。が、実はそんな単純なものではありません、もっと奥が深いのです。

マヤ、アステカ等の古代文明が栄えたメキシコは2,000年以上の食文化の歴史があり、先住民と16世紀以降のスペイン等ヨーロッパの食文化が融合してきました。またメキシコ原産3大食材のとうもろこし・豆・唐辛子を筆頭に、各食材の処理法や加工技術、調理道具等が古来から引き継がれ、祭礼や儀礼とも結びついた伝統料理が評価されて2010年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

さて、そのメキシコ3大食材のひとつ「唐辛子(チレ)」。

今回はこのメキシコの唐辛子のお話をしつつ、9月の独立記念日と無形文化遺産のメキシコ料理を体感する9日間ツアーでご堪能いただけるお料理をご紹介したいと思います。

唐辛子は既に紀元前4-5千年前に食べられていた証拠があり、マヤ地域では紀元前1700年頃或いはそれ以前より唐辛子の栽培がはじまったと推定されています。また、唐辛子は古代から食材としてだけの利用ではなかったことが様々な資料にあらわれおり、現在も多方面に利用価値が広がっています。

唐辛子に含まれるカプサイシンとういう物質が“辛い”という感覚を引き起こすといわれていますが、これが近代の研究において、腫れや痛みをひかせる効果、血液循環を良くする効果、血餅の形成や動脈硬化を防ぐ効果、老化防止効果があることが分かっています。またある種のガン細胞に対する効果への実験も行われているそうです。柑橘類よりビタミンCが豊富で、カリウム、鉄分、マグネシウムも豊富、視力、歯茎や歯の病気を防ぎ、消化を助け、唾液や胃液の分泌も促すのだそうです。またアルツハイマーの予防や治療としてのマウスを使った研究においても、唐辛子を多く取らせたマウスのほうが記憶能力の悪化が少ないのだとか。じゃぁもっと唐辛子を食べなきゃ!と思った方。取り過ぎは逆効果や胃の粘膜を痛めることもあるので、適量接種でお願いしますね。

さて、そんな利用価値大・効能大の優等生な唐辛子。メキシコの食品のための植物遺伝資源国家システム(sistema nacional de recursos fitogenéticos para la alimentación y la agricultura)によれば、メキシコ国内には64種の唐辛子があり、派生種を合わせるとなんと200種にも及ぶそうです。

同じ唐辛子でも生の状態と乾燥して使うものがあります。

一番需要が高いのはセラノ、ハラペニョ、グアヒージョ、アンチョ。

まあまあ需要があるのがパシージャ、アバネロ、アルボル、マンサーノ等。

 

それでは具体的にいくつかの唐辛子を見てみましょう。

こちら↓の可愛らしい唐辛子は「ハラペーニョ」。日本にも結構輸入されているのでご存じの方もいらっしゃるでしょう。生はこんな感じです。↓

それを煙でいぶって乾燥させるとこんな感じ↓の「チポトレ」と呼ばれるものになります。マリネされて缶詰でも販売されています。

こちら↓は日本でもおなじみの「ハバネロ」(スペイン語でアバネロ)です。メキシコのユカタン半島が原産ともいわれていますが、南米原産のとうがらしがキューバ経由できたことからラ・アバナ(キューバの首都ハバナ)、この名前になったという説もあります。

また、乾燥唐辛子アンチョ、パシージャ、ムラト↓等を3~4種類+その他30種類近い食材を入れ、とどめにチョコレートの塊を溶かして作る「モレ」という伝統料理があります。プエブラとオアハカの名物料理で、この地域に行くなら絶対に食べておくべき料理です。メキシコの独立記念日と無形文化遺産のメキシコ料理を体感する9日間ツアーでももちろん召し上がっていただきます。多くの食材を使うため、その味は非常に複雑で奥が深い!一言で説明するのは難しいので、是非このツアーで、本場のその味を体験してみてください。

そしてプエブラの唐辛子とくればチレ・ポブラーノ↓。大き目です。よくピーマン肉詰め的お料理につかったりもします。つまり辛さ度指数は低めで、唐辛子のクリームスープがあったりもします(!)

このチレ・ポブラーノはこんな特別料理↓にもなります。その名も「チレ・エン・ノガダス」。こちらは9月の独立記念日前後にのみ食される季節限定料理です。この時期の旬な食材を使ったメキシコ国旗カラー(緑・白・赤)、愛国心の爆発みたいな色合いです。チレ・ポブラーノ(緑)にいろいろな食材が詰め込まれており、それに衣をつけて揚げ、クルミのクリームソース(白)、そしてザクロの実(赤)を飾るといったウルトラバロックな伝統料理です。メキシコの独立記念日と無形文化遺産のメキシコ料理を体感する9日間ツアーでは、プエブラ近郊の唐辛子畑で実際に唐辛子を収穫し、このチレ・エン・ノガダスを召し上がっていただくという、この時期ならではの体験ができます!

唐辛子畑のオーナーさん↓。一緒に収穫体験しましょう!

メキシコ人の国民食タコスにかけるサルサ(ソース)も唐辛子なしでは語れません。そんなメキシコでは、どんな時期・場所でも唐辛子を堪能することが出来ます。が、唐辛子を使った9月のこの時期ならではの伝統料理を食べるなんて、なかなか出来る事ではありませんよ!このツアーにご興味がある方はこちらのページを是非ご覧ください。

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